ロハス気取り

妻の実家は専業農家で苺を作っており、この時期は育てた苗を畑に植える作業をする。
義理の両親は周りの農家の人達に比べれば、一番若い方に入るのだが、それでも一般の会社員であれば、もう定年退職の年齢で、それに加え、お義父さんなどは少し前に体調を崩し、入院もしたりした。
幸い大した事は無く、ごく短期間で退院できたのであるが、そんな状況からの農作業は、農機具が発達した昨今であっても、決して楽なものでは無い。
そんな中、若く健康な身体と、永遠の時間を持つ男の登場である。
しかもこの男、脱サラし、何か大きな夢への一歩を踏み出すのかと思えば、その一歩は近所の散歩として踏み出す程度で、あとはテレビで相撲を観る事を楽しみとしている、若くして隠居生活をしている。
手伝うのが当たり前である。
と言っても素人の私に与えられた仕事は、畑のウネ(苗を植える為に土を直線上に盛った部分)とウネの間の土を両側に盛る、水捌けの溝を掘る、苗の根の先の部分を植え易くする為に切る、等と他にも色々あるのだが、とにかく単純作業をひたすら繰り返すという内容で、これをずっとやっていると中々の重労働。翌日、肩や腰が痛くなる。
そんな一日を終える事でやっとビールも美味しくなるのです。