ざっくり北日本旅行 4

7/27。
郡山から会津若松へ。
列車の車窓からは水田が広がっており、その中でゆっくり動くご老人がちらほら見える。
この広大な水田の中で、点在して見かけられる農家の人が、それぞれに作業をしている場所の間隔から推測するに、一農家でとんでもない広さの田んぼを所有していそう。農作業が機械化されているとはいえ、途方も無いように思った。
私の住む四国は広い平野が少なく、畑は沢山あっても、これ程大規模な水田など殆ど見られ無いので、東北地方のあちこちで見た、田んぼ一色の風景は本当に美しく、珍しく眺めた。

会津若松に着。
降ったり止んだりの天気。
この辺りは野口英世が青春時代に過ごした町らしく、それを観光に利用している。その時代に合わせ、レトロな雰囲気に作られた七日町通りを、昼食に悩み幾往復。
結局、最初に駅近くで見かけた寿司屋に入る。にしんの笹寿司と蕎麦の定食。この旅、小樽のスープカレー以来のまともな昼食、感激。昨日食した添加物弁当の雪辱を晴らす。
旅の疲れが出始めており、早めに休む。

7/28。
会津若松から西若松駅会津鉄道に乗り換え、湯野上温泉駅下車。
江戸時代の宿場町の姿をほぼそのまま残すと云う大内宿へは、ここからバスで行く。バスが出発するまでの間、湯野上温泉駅周辺を少し歩く。駅舎自体、茅葺屋根になってたり、足湯があったりで良い感じなのだが、周辺は温泉と小さな商店以外何も無さそうで、静かな山間の町で良い。しかし、残念ながら我々の旅は原則、温泉宿は高いので泊まら無い事になっているので、あくまでバスが出るまでの滞在。

バスに乗り、大内宿着。バスには私達夫婦、運転手、添乗員以外に誰も乗っていなかったので、平日はこんなものかと思ったが、着いてみると観光客で沢山。自家用で来ている人が多い。
かつての宿場町の両側、約500mに渡り、茅葺の家屋が並んでおり、そのほぼ全てが今は観光客相手に店を営んでいる。店先で焼いている、串に刺した芋餅に惹かれ、一本買ってみる。
絶品。多分、ジャガイモを混ぜた餅に味噌だれを塗って焼いただけなのだろうが、驚きの美味しさ。これは今回の旅で食べた物の中で一番だった。自分の舌が貧しいだけかも知れんが。
大内宿は観光化され過ぎている、という意見も聞く事があり、私もまた、寂れた雰囲気の方が好みなのだが、妻との旅行にはこの方が楽しくて良いと思った。

再びバスで湯野上温泉へ戻る。
列車までの時間を茅葺の駅舎で過ごす。ここの駅はお土産を売る売店があり、覗いていると、一杯100円の甘酒の札が目に入る。
疲れから甘い物が欲しくなり、一杯貰う。
すると、おそらく、ここの駅員であるおばさんの娘だと思われる、ジャージ姿の女子高生が、夏休みで部活帰りに遊びに来てるのだろう、駅の事務所から手伝いとして現れ、お盆に良く冷えた甘酒と塩昆布を乗せて出してくれた。
正直、美人とは言い難い女の子だが、アルバイト気分を楽しんでいる様子がとても微笑ましく、純朴な感じで、先程食べた芋餅の様な可愛らしさがあると言えば言えなくも無いが、もしこの娘が美人であったら、横には妻が居るので困るというか、いや、別に何も困ら無いのだが。

ここで東北を後にし、栃木宇都宮で宿に泊まる。