ざっくり北日本旅行 3

7/25。
午前中、気仙沼漁港を観光。
被災地を実際に歩く。漁業自体はもう再開している様子で、人の出入りも多く、活気はあるように思えたが、津波によって壊れてしまった建物はほぼそのまま。
とても暑かったので、南町紫市場と云う仮設の商店街内にある喫茶店で、アイスクリームを食べて休ませて貰う。店内の壁には震災以前、以後の気仙沼漁港を高台から撮影した写真が並べて貼ってあり、被害の凄まじさがわかる。
お店を営む老夫婦から、被災直後の町の様子、避難所の様子の写真集を見せて頂いた。本当に言葉に詰まってしまった。何も言え無い私達に、ご夫婦は、遠く徳島からこの場所に来た事だけでも嬉しい、ような事を言って下さった。それでも自分はやっぱり何を言えば良いかわからない。
ただ観光としても、昨日から見て回っているこの三陸地方は非常に魅力的な場所だと思った。

再び列車に乗り今度は内陸、世界遺産奥州平泉へ。速足で世界遺産観光。中尊寺金色堂、金ピカ。
宿をとってある仙台への路線で、途中の線路がこの暑さの為に歪みが発生しているとの事、再開未定の見合わせ。他の路線を回る事を考えても、それでは本日中には着けなさそう。鉄道職員に他の手段を訪ねても、新幹線しか無いと云う。我々は貧乏旅行なので新幹線など乗れぬ。
取り敢えず、現在行ける一ノ関駅まで行ってみる。
すると一ノ関から仙台行きの高速バスがある事が判明。せっかくJRフリーパスがあるのに勿体無いが、新幹線よりは安いし、宿をキャンセルすれば余計に宿泊費も掛かるのでこれに乗る。伊達にテレ東番組「ローカル路線バス旅」のファンでは無い、機転の良さだと思った。
仙台着。都会。岩手盛岡の場合もそうだが、同じ県内で、被災地と中心地の賑わいのギャップに、やや戸惑う。

7/26。
宮城県を後に山形県へ。
芭蕉所縁の地、山寺立石寺の1000段の階段を登る計画だったが、あまりの暑さ。この1000段が天国への階段になるような気がして断念。
山形駅を通り、米沢駅で乗り換えの際、少しの時間駅前を散策。
何やら女子高生がキャアキャアと騒いでいる。箸が転んでも可笑しい年頃なのでしょうがないと思っていると、本来、仕事も無く遊んでるなんて笑えない年頃の私達夫婦も、ぎゃあぎゃあ騒ぎだす。
デカく白い蛾が大量発生しているのだ。よく見ると路上も蛾の死骸だらけ。駅前の温度計が40.8度とある。この異常な暑さが原因かと思われる。
結局、この旅では山形県は殆ど通過するのみとなったが、また寒い時期に来たいと考えている場所があり、今回は良しとする。
福島県に向かい郡山で宿泊。
夕食、食べる場所が見つけられず、自分が最も敬遠している某巨大チェーン系列のスーパーで買った弁当で済ます。心が挫かれる。