犬の話

妻の実家で飼っているダルメシアンのアリーは癌を患い、2/2の朝に死んでいた。
すでに病気の進行で後ろ足が麻痺していたのだが、死の二日前にはついに寝たきりとなり、苦しみを訴えるように夜通し鳴いていたそうだ。
寝たきりになるまでは、前足だけでも本当に元気だったのだが、苦しみだしてからは早い最期だった。苦痛が短い間だったのは、彼女にとっても家族にとっても本当に救いであるように思える。
春になると、毎年私は妻の実家の山に入り、筍を採ってくる。
犬小屋の横に椅子を置いて腰をかけ、採ってきた筍の皮をむいていると、彼女はオンオンと催促をしてくるので、皮の柔らかい部分など余ったものをやるが、いくらやってもキリが無かった。
私とはその程度の思い出だが、それでも寂しいし悲しい。

私も10年前まで飼っていた豆柴を思い出した。この前テレビで豆柴を観たが、成犬でもとても小さく顔も少し違っていた。ウチのは雑種だった。