九州うまかもん紀行 4

11/19。
別府から特急ソニックに乗り北九州へ向かう。ソニックは自己主張の強そうなメタリックブルーの車輌。JR九州の特急車は種類が多くどれも個性的で、その格好良さに、特に鉄道好きで無い自分でも、車輌がホームに入って来ると興奮してしまう。鉄道マニアの気持ちが少しわかる気がする。

昼前に小倉駅着。
私は北九州は演奏で何度も来てるが、妻は初めてなので少し歩こうと、この9月に来たばかりのライブハウスmegahertzまで取り敢えず。
「この辺りは少し通りを外れるとガラが悪いからね。その点、僕は何度も来てるから大丈夫。付いてきたまえ。」と妻をエスコートするが、いつもはカーナビゲーションに頼りっぱなしなので、いざ徒歩で向かうと勝手が違う、どっちへ行っても無頼街。這々の体で何とか辿り着いたものの、何も演っていない真昼間のライブハウスの建物など見ても、当然面白くも何とも無い。駅へ戻り、門司へ。

14時頃、門司港駅に着く。
予定よりかなり早い時間だが、ホテルに荷物だけ預かってもらいに行くと、今からでもチェックイン可能との事で、お言葉に甘える。
一見、高級な外観に驚いたが、部屋も凄く豪華な作りで、何より窓から臨む関門海峡の景色が素晴らしい。
すっかり上機嫌になり町に出る。
この辺りは、門司港レトロと云う有名な観光地で、明治、大正に建てられた貿易商社や銀行のビルが今も残されている。広場では猿廻しの芸も演ってたりして、とても楽しい。ほぼ毎年一度は演奏に北九州へ訪れている筈なのに、門司がこんなにも良い所である事を、何故、地元のバンドであるinfroのメンバーは誰も教えてくれ無かったのか。スプリットも出した仲やのに。
それらを見ながら、妻の念願であった、関門海峡の海底人道トンネル(780m)を歩き、下関に渡る。何かのマンガの舞台だと云う、火の山公園にも登る。
ホテルから結構な道程だったので、帰りは鉄道のつもりだったのだが、行きの遊歩道沿いに伸びていた鉄道は、実は休日のみ運行の観光トロッコ列車の物であった事がわかり、この日は水曜、お互い声を掛け合いながら来た道を辿る。
連日よく歩いて足が痛いが、どうしてもみたい店がある為、無理をして路地裏に逸れ、北九州角打ちの代表と呼ばれる「魚住酒店」を探す。
「角打ち」とはこちらで言う「立飲み」、東北で言う「もっきり」の事で、関東でも「角打ち」は使うらしい。
少し前、NHKの新日本風土記での関門の放送回で紹介されており、戦後、ここの船乗りが、昼に仕事が終わっても呑める店が無かった為、この酒屋はその場でも呑めるようにした、みたいな説明だったと思う。
構え、立地場所も感動的な店だったが、今回は写真に収めるだけにする。いつか昼に「角打ち」に来たい。