平社員大久保篤 2

営業所会議があり、本社から専務が来ていたのだが、先輩チーフと話をしている時にポケットに手を突っ込んでいた事を、「それが上司に向かっての態度か」と、むちゃくちゃ怒られ気落ちする。
悪いのは私なのであるが、次は手をポケットにではなく、中指と人差し指の間に親指を突っ込んで話をしようか、とミクロな反抗を内心抱く。
妻以外の人間にむちゃくちゃ怒られたのは久しぶりだ。

ともあれ、今日は久しぶりに早く帰宅する事ができた。
時間が出来たのでTシャツの注文の対応をする。
Tシャツに関してはこの日記でしか報告をしていなかったので、こんな日蔭のバンド活動をしているサラリーマンの日々を読んで下さっている人達も意外といるものだと元気付けられる。

そんな訳で、父が社員旅行(バイトだが)で行った沖縄土産の、残り少ない泡盛を埋めている氷が溶けるのを待ちながら日記を書く事にする。
とはいうものの、話題なんてそんなに無いです、とか考えている所に、部屋の網戸にカブトムシのメスが張り付いて来た。
捕まえたのだが、田舎のカブトムシの力は凄まじい。背中からしっかり掴んでも、足をばたつかせて外されてしまう。体重比で考えれば世界一、力持ちの生き物は昆虫なのだと昔「サザエさん」のアニメで言っていたのを思い出した。
カブトムシに鳴き声の様なものがあるのは初めて知った。関節の動く音なのだろうか?シュウィ-、シュウィ-と唸り声を上げていた。