始まりました

九月某日よりタブチさんとの暮らしが本格的にスタートした。
結構長い間一緒にいるが、いざ一緒に暮らすとなるとそりゃ、育った環境が違うからすれ違いはしょうがない。やれるだけ頑張ってみるしかない。セロリは美味い。
価値観の違いは昔からわかっていた。幾らか相違点を挙げる。
まず俺はとにかくズボラで適当な性格で、洗濯物は常に干しっ放し、畳んで収納という習慣が無い。
リビングに俺がオーストラリアへ留学してた友人からもらったブーメランを飾らせてくれない。
あと俺の髪型がダサい等。
しかしながらやはり一番問題となってくるのはタブチさんの両親が一切酒を飲まないという事もあり、俺が毎晩飲む習慣に難色を示す。これはかなり辛いが、しかしながら俺は現在無職の身。今は屈するしか無いのか…?
だが俺は抵抗する。彼女が出勤し、一人となれば冷蔵庫から昨夜の残りモノである「茄子の味噌炒め」、「オクラと梅と鰹節を醤油で和えたモノ」を取り出し、朝9時30分からの「吉田類の酒場放浪記」を観ながら、明るかろうがハイボールを飲んでやった。こんな酒が進む料理を作っておきながら…彼女の責任は重大である。