昨年末の事から

年末。
CROWBARにて忘年会の銘を打ったライブが2日間に渡って開催され、それを観に行ったり出演したりした。
2013年を迎えた頃は、今年は地元を中心に活動し、若いバンド達と交流を深め、よっしゃこいつら俺が引っ張ってやって徳島盛り上げたるか!などと考えてた私は、ほんまもんの阿呆でありました。
私の知らない間に学生達を中心に、たくさんの若いバンドが出現しており、其々がしっかりしているものだから、我々なんぞ出る幕が無いぐらい随分盛り上がっていたのである。そんな事も知らないで何を上から偉そうに、この職無しが。
需要も無く相手にもされず、桜が散る頃にはすっかり若者に怯えるようになり、結局の所、殆ど地元で出演する事も無いまま年末を迎える。
どうにかこの忘年会ライブには、まだ年長者を敬う、という美徳が残っていたのであろうか、声をかけてくれたので出演する事ができた。
滅多に無い出演なのだからこんな時ぐらいきちんと演奏をしなければならない。
トレーディングカードなどでも滅多に手に入らないレアカードと呼ばれる代物は、使用すれば死んだ仲間が全員生き返る、などの大逆転効果があったり、光の当たる角度によって七色に輝く、といった見た目の美しさがあったりするからこその価値ある「レア」なのであり、その反対に、ごく稀に出演した我々が、例の如く泥酔演奏による自爆、そしてステージ上で管を巻く、ただでさえ観て貰う機会が無いのにそんな醜態を曝せば、聴衆は今後thirstychordsの名が記されてる時点でそのライブには行かない、なんて事にもなり兼ねないので、我々はちゃんと節度を持ってお酒を飲み、緊張感を持って演奏をさせて頂きました。とりあえず年の締めくくりはできたかなと思う。

翌の晦日
妻の実家の餅つきを手伝う。
私は餅米をセイロで蒸す為の火を絶やさぬようにする役目。ずっとカマドに焚き木をくべ続け、その都度心の中で「ファイヤー」と唱える。
同じく徳島で活動しているバンド、pianocoatのエガミ君もよくMCでお客さんを煽るのに「ファイヤー!」なんて叫んでいるのだが、彼の場合、本当に火を点ける訳では無く、現実世界においては餅米を蒸しあげる事もできない口先だけのファイヤーに過ぎず、この辺りが本物の経験を積んでいる私と彼らの差なのだ。
なんて若手の悪口を書いてみたりする。