岡山〜広島旅行2

12/12、午前中、宮島厳島神社を参拝。
流石に世界遺産だけあって平日でも沢山の人で賑わっている。私と妻は夫婦揃ってその害の無さそうな風貌からか、普段からよく道を尋ねられたりするのだが、こちらも旅行者である場合には、変わって観光客から写真をお願いされる事になるらしい。有名な巨大な赤い鳥居を背景に、何度かiPhoneを渡され他人の記念撮影をした。
だが私達は写真をお願いされるのもするのも苦手な性質なので、この後は絶好の撮影スポットのような場所に来ると、二人でお互いを一人ずつ撮影しあい、人を避けるようにそそくさと現場を立ち去るようにして回った。
もみじ饅頭の本場でもある宮島。土産屋の店頭に並ぶもみじ饅頭を見る度、私は心の中でB&Bのギャグ「もみじ饅頭!」をやった。現実に行うと、このような子供染みた行動を妻はもの凄く嫌うから、あくまで心の中で。心の中だけで行う分には誰からの咎めも受けない為、調子良くエスカレートしてゆき、「もみじ!饅頭!ナハナハ!」などと、せんだみつおゲーム風にアレンジしたりもした。

午後からこの日の宿をとってある尾道へ。
翌日の最終日にじっくり街並みを見て回る予定が、天気予報によると明日は雨との事で、最悪の場合を考え、夕方尾道に着くとまず、絶対に行っておきたかった御袖天満宮を探す。
大林宣彦監督の映画「転校生」で主人公とヒロインが一緒に階段から転げ落ちた神社である。
駅の観光案内所に在ったパンフレットを見て探すが中々見つからない。
日はもう陰り始めており、坂道、階段、石畳の美しい道が体力を奪い、足を痛める。
パンフレットの地図はあえて簡略化されており、そこに掲載されてる大林宣彦氏のコメントは「あなたはきっとこの地図で迷子になるでしょう。でも迷った先で見つけた風景もきっとあなただけの尾道となって、いつまでも心の中に残る事でしょう」といった内容である。
監督の作品同様に温かいコメントで素晴らしく思うのだが、妻の苛立ちは絶頂で「この地図、不親切過ぎる」と怒りを露わにしている。
苦心の末、どうにか日没には御袖天満宮に辿り着く事ができた。
妻が「転がってみ」と言うので、このふざけはOKなんかと、一人石段から転げてみる。30過ぎの男が一人階段から転がり落ちている写真。只の事故である。