岡山〜広島旅行3

尾道駅の裏山にあるホテルに宿泊。
随分歩き回った最後にこの坂を登るのは応えた。
このホテル、オーナーがタイの元キックボクサーだったらしく、それでタイ料理レストランも兼ねているという風変わりな所で、宿賃が安かったからここを選んだのだけれども、本来なら尾道では当然穴子やオコゼなどの瀬戸内の魚料理が食べたい。
尾道に来てまでタイ料理を食べる人などいるのかと訝りながら、気にはなるのでレストラン前に立ててあったメニューを眺めていると、フロントに居たオーナーが背後より「どうぞ、出入り自由ですので見てって下さい」とニコヤカに勧めてくる。
ムエタイという格闘技は、勝負が最後までつかなかった際、選手の表情が大きく判定を左右するらしく、ニヤニヤして全然余裕、みたいな表情だと有利に、逆にしんどそうだと不利になるのだそうだ。だから彼らは常にニヤニヤ笑うように心掛けているのであり、そうするとこのオーナーの愛想良さも実は偽りで、もし私がこれを無下に断り、安い宿賃以外のお金を一切落とすつもりは無いと言えば、ニヤニヤの表情のままでチャランボをくらわせてくるのでは、なんて想像して恐ろしくなり、とりあえず入店。
妻は800円ぐらいのタイ式のヤキソバ、私は1000円のグリーンカレーセットを頼んだ。かなり本格的なのだろう、スパイスが効いて辛かったが、味はとても良かった。
ウェイトレスはオーナーの奥さんと思わしき女性を含めて全員タイの方で、店内雰囲気はタイそのもの。考え方によっては尾道とタイ旅行を一度に味わえる感じでお得かも知れない。
高台にあるホテルの部屋から海沿いの町の夜景は素晴らしく、対岸すぐの向島への連絡船が遅い時間まで何度も往復しているのが面白いので、ずっと眺めていた。
翌日、心配していた天気は良く、ゆっくりと尾道の町を散策して回った。左足の土踏まず辺りが痛くなった。