国語

新美南吉童話集を読む。
小学校の国語の教科書に載っていた「ごん狐」、「手袋を買いに」が今また読みたくなり、先日「文化の森」図書館で借りてきたのだ。南吉作品は童話でも切ないもの多いのようだが教科書にも載っている「手袋を買いに」はどこまでも優しい。
思い出す。初めて目にする雪にはしゃぐ子狐の「お手々が冷たい、お手々がちんちんする」という台詞に。帽子屋さんが子狐の渡してきた銅貨が木の葉じゃないか確かめようと指に乗せ、かち合わせると「チンチンとよい音がしたので…」という擬音文に。当時小学3、4年生男子、つまり生涯において最も排泄物系の言葉に敏感であった俺は、机に身を伏して笑いを堪えていたものである。
しかしながらそんな俺ももうすぐ27。社会に揉まれ、妻をめとり、肉体、精神共にも相応に成長を重ねてきたと自負している。今では「ちんちん…」に子狐の愛らしさを、「チンチン…」に帽子屋さんの優しさと温もりを表現した、南吉の素晴らしい文章を十分に味わう事ができるだろう。ならば今こそ声に出し!
…ドゥハ!!

ええ、おふざけが過ぎるようなので俺の事は軽蔑して頂いて構わないのですが、新美南吉は本当に素晴らしい童話作家であります。29という若さでこの世を去り「ごん狐」、「手袋を買いに」を書いたのは17、18歳だったそうです。